―― RevCommに入社する以前の経歴を教えてください。
20代後半、イギリス人の起業家に誘われてロンドン拠点のeラーニングのビジネスを展開する企業にCTOとして誘われて入社しました。イギリス、日本、中国の3つの開発拠点と約20名の開発チームのマネジメントに約20年間携わりました。しかし企業買収で環境が変わってしまったこと、新しいことにずっとチャレンジしたいと思っていたこともあって、2022年1月に退職しました。
私のような海外経験がある人は日本でビジネスをしたい外資系企業で働くというのが多いパターンだと思います。もちろんそれが自分のスキルを活かせる環境ではあったのですが、経済状況も変わって、日本に進出してくる外資系企業が20年前ほど盛んではなく、一方で日本のIT企業がどんどん伸びて海外進出が増えているという実感がありました。私のキャリアも後半なので、最後は日本企業の海外進出に貢献できたら面白いのではないかと思ったのが転職のきっかけですね。
―― その中でRevCommを選んだ決め手はなんだったのでしょうか?
ただ日本企業で本格的に海外進出するところは限られてくると思っていました。日本市場向けの仕事で、単純に日本人だけではエンジニア人材をまかないきれないのでインドに拠点を作るといった会社は結構多いと思いますが、ビジネス自体を海外に持っていくという会社はまだまだ少ない気がします。RevCommの場合は、ビジネスの海外進出と、グローバル人材をどんどん採用していこうという両方を同時に進めようとする会社だったので、そこに興味を持ったのが決め手です。
―― RevCommでの業務内容を教えてください。
役割としては3つあります。1つ目がTMO(テクノロジーマネジメントオフィス)という組織で、CTOのサポート。エンジニア組織が100名弱(内 外国籍が約20名/2023年7月現在)なっているので、プロジェクトマネジメントやリソース管理、育成、いわゆるピープルマネジメント全体です。2つ目が外国人採用とその外国人のピープルマネジメント。3つ目がテクノロジー部門としての1つのプロジェクト、具体的に言うとMiiTel Meetingsというサービスの(Videoチームの)プロジェクトマネジメントです。
―― RevCommのグローバルなエンジニア組織の良い点はなんでしょうか。
RevCommは外国籍エンジニア採用に関して日本語能力を求めません。技術力だけで決めています。そうなると英語学習の機会など外国人とスムーズに仕事ができるように準備する会社もあると思いますが、RevCommの場合はもう「えいやっ!」て感じでスタートしています。(※1)まずは、いろいろな社内文書を英訳するところから始めています。また社内コミュニケーションはSlack(ビジネスチャット)を使っているので、そこに自動翻訳ツールを導入しています。日本語から英語、英語から日本語に、とりあえず通じるレベルの自動翻訳がなされる仕組みを作って進めています。最初は不安だった人もいると思いますが、私のチーム(日本人5人・外国人5人)に関して言えば、日本人エンジニアたちも意外とコミュニケーションができているという感触のようです。
RevCommは創業からずっと日本人が引っ張ってきた会社で、業務知識や会社の技術的な歴史の部分は、日本人が外国人に伝えるべきところです。日本人だったら「この文書を読んでおいて」で済むことも、相手が外国人だと、より手厚く面倒を見なければいけないし、彼らにもどんどんキャッチアップしてもらいたい。英語でのコミュニケーションの必要性に迫られます。ですが社内だけなので正確に話せなくても通じればOK。数か月経てだんだん慣れて、新しい環境を楽しんでいるという声が、実際1on1でも聞こえてきます。
―― 課題もあるのでしょうか?
もちろん課題として、技術的な深い話を突き詰めて議論するにはもっと英語力をあげないと効率的にならないとは感じています。英語力向上に関して、今のところは個人の頑張りに任せてる状態ではありますが、私のチームに外国人が入ってきたことを全員がポジティブに捉えてくれています。単なる日常会話ではなく、あるシステムの複雑なところを相手に英語で説明しなければいけない、というような状況は逆にチャンスだと。全体的に仕事のモチベーションが上がったのではないかと実は思っています。
RevCommはそもそもエンジニアとしての価値を高めること、いろんなスキルが身に着けられることに配慮してくれる会社なんですね。RevCommで2、3年働いたら他社にいるよりも成長できることを、常に考えてくれます。その価値観に英語を覚える機会もあるというのは合致してるのかなと思っています。
―― グローバル化推進にあたり、現状と、これからやるべきことをどのように捉えていますか。
今後は国籍を問わず優秀なエンジニアを採用したいというのが外国人採用に踏み切った最初の目的でした。基本的にはシニアとジュニアレベルのエンジニアをバランス良く採用したいのですが、現状だともう少しシニアエンジニアを増やしたいと考えています。国籍に関わらず、今は売り手市場ですから大変です。日本人以外にも門戸を広げることで、シニアレベル人材は多少採用しやすくなりました。結果的に、シニアレベルの外国籍エンジニアと仕事ができることで、ジュニアレベルの日本人エンジニアが多くの刺激を受けているようです。
本格的に海外進出する際に、例えば海外ベンダーとの協業もあるかもしれません。その時にエンジニア同士が英語で議論しなければいけないので社内に英語ができる人がいたほうがいい。海外進出した先にカスタマーサポートメンバーは現地にいるわけですが、そこから上げられてくる様々な要望にエンジニアが直接対応できるような体制があったほうがいい。このあたりがやるべきことですね。最近アメリカの、とあるベンダーのサービスをRevCommのサービスの一部として使うことになったのですが、グローバル人材がいることで物事を進めやすかったので、効果は出てきていますね。
今後はもっとグローバルなプロジェクト、海外の企業と協業してプロジェクトや取り組みができたら非常に面白いなと思っています。あとやはり、もう少し外国人材の比率を高めて、今後採用する外国人がどのチームにいっても、現状の日本人チームが受け入れられるような、彼らとスムーズにコミュニケーションをして業務が進むような体制に、徐々に持っていけたらと思っています。
―― グローバル人材にとって、RevCommの魅力はどんなところでしょうか?
現在、外国籍エンジニアはスイス、アメリカ、メキシコ、ニュージーランド、台湾、中国、インドネシアなど多様ですが、日本が大好きという人が集まっている傾向がありますね。日本の文化、食べ物、日本の自然、特に雪山が好き、治安がいい、医療や交通システムが発達しているなどの理由が多いです。
外国人を積極採用している会社は外国人比率が高い会社が多いと思うのですが、現時点でRevCommは日本人のほうが断然多いです。採用時に判断基準にしたつもりはないのですが、RevCommには日本人と一緒に仕事をしたい、日本語を勉強したいというマインドの外国籍エンジニアが入社しています。それが結果的に、お互いに寄り添ってうまくやっていけている要素なのだと感じています。
またRevCommは完全リモートなので、日本国内でも地方に住みたいという人も出てきています。そういう意味では、外国籍エンジニアの採用をすることで、日本の地方活性化にもつながっているんじゃないかな(笑)。(※2)
私は今50歳(取材当時)なんですが、私の若いころは英語ができる人はすぐ海外に行ったり、海外に出張に行かされたり、海外駐在になったりしがちだったんですよ。ただ今はIT技術が進み、ミーティングも対面でやる必要がなくなったり、コロナ禍もあったり、海外に出る機会が相対的に少なくなってるイメージがあります。一方で日本国内は急速にグローバル化していますよね。だからこそ今は日本国内にいながら、グローバルな組織に身を置くことができます。日本人エンジニアにとって、仮に海外に行けなくても世界中の人と仕事ができ、スキルを取得することができる環境がRevCommには整っていると思います。
―― これからRevCommに入社してほしいのはどんな方ですか?
RevCommがグローバルな組織を作り始めたことを聞きつけて応募してきてくれる人が増えています。今いる会社がまったく英語を使う環境にないのでそういう場所に身を置きたいと。ただ英語で業務を完遂しているような会社はハイレベルな英語力を求めるなど、採用の敷居を上げているはずなんですよね。RevCommの場合は、「技術力はあります。英語は全くダメだけど、これからブラッシュアップしたい」という人であればウェルカムです。高い技術力があればぜひ入ってきてほしい、英語は入ってきてから頑張っていけばいい。そういうマインドの方は非常にフィットするのではないかと思います。
文中補足
(※1) 多言語学習の補助制度もあり、会社全体で多言語能力向上に対する取り組みをしてます。
(※2) 外国籍の方の採用については、給与口座や税金の問題から海外フルリモートの採用は実施しておりません。